企業のオウンドポッドキャスト制作を手掛けるPitPaが運営する『オウンドポッドキャストインタビューbyPitPa』。こちらの番組では、企業が配信するポッドキャスト「オウンドポッドキャスト」の作り方のノウハウなど、有益な情報をお届けしています。また、PitPaブログでも、その内容を一部編集して公開してまいります。
今回の記事では、ポッドキャストに最適なフォーマットについてお話した回をご紹介できればと思います。
質問:ポッドキャストに最適なフォーマットは?
今日は、一件質問が来ておりまして、 こちらに回答していきたいと思います。
ニックネーム、ニッキさん。
いつもためになるお話ありがとうございます。企業が情報発信をしていく手段として、 ポッドキャストを検討しているんですが、インタビュー形式のものが良いかなど、 いろいろ迷っています。ゲストブッキングなど大変な印象もあり、 どのようなフォーマットが良いのか、メリット・デメリットなども含めて 教えていただけると幸いです。
こちらご質問ありがとうございます。
企業でポッドキャストを配信するにも、 フォーマットがいくつかあるかなと思います。大きく分けると、3パターンですね。
1つ目が「インタビュー」形式。2つ目が今僕がやっているような一人喋り。3つ目は、「パネル」と呼ばれる、固定メンバー複数人で話をしていく形式。この3つの形式が多いのかなと思います。
インタビューのメリット・デメリット
まずインタビューから、メリット・デメリットについてお話していきましょう。インタビュー形式って実は、海外の調査とかですと、企業がやっているポッドキャストの形式として一番多いパターンらしいですね。大体63%、3分の2ぐらいがインタビュー形式らしいです。インタビュー形式といっても、ゲストを呼んで、 議論をしながら話すという形式を指しているようですが。
今回このオウンドポッドキャストインタビューでも、 時々、オウンドポッドキャストをやっているゲストさんを呼んできてお話しています。
弊社制作の番組の場合、ポッドキャスト制作の会社ですので、 結構作り込んでインタビューしてたりするんですよね。台本もしっかり作って、最後にインタビューした時の感想みたいなものを別撮りして、インタビュー音源と合わせて配信しています。
しかし、そこまで作り込んだものでなくても、 単純にゲストを呼んで、編集も最小限にしながら、本当に食事でもしているような形でリラックスして、 一つのことに議論に対して話をしていく気軽な形式として、インタビューを選んでも良いと思います。
インタビューは毎回ゲストが変わっていきますし、それぞれの専門的な人たちを呼んできてお話をすることになりやすいので、中身としても、繰り返しになりすぎず、面白いコンテンツが作りやすい印象があります。
さらに、ゲストに来ていただけることで、 そのゲストが番組を拡散してもらえることもあるので、番組の宣伝面、 企業の認知を向上する上でも、ゲストを呼んだインタビュー形式は非常にいいのかなというふうに思います。
ただ、この形式でやっぱり一番大変なのがブッキングですよね。毎回新しいゲストをお呼びするのは かなり骨が折れるところだと思います。
お友達が多かったり、 ブッキングしたい方が社内や制作仲間に豊富にいたりすればいいんですが、そうじゃない場合、一人で毎回ゲストを考えて出演依頼をするのは、 相当大変なところがあるかなというふうに思っています。
もちろん、毎回ゲストを社外から呼ばなくても、 社内の人間をゲストに呼ぶっていうことであれば、少しはハードルが低くなるかなというふうに思います。
たとえば資生堂さんが配信している番組とかですと、 研究職の方がすごく沢山いらっしゃって、その方たちに順番に研究しているものについて深掘りして話してもらうような番組構成になっています。この場合、ブッキングやネタに事欠かないとは思いますが、それでも毎回新しい人に「こんな番組出演どうですか」っていうのって、 よほど仕組み化しないと大変だなという印象はあります。
インタビュー形式の場合、ブッキングなど、番組を収録するまでの準備にそこそこ気合がいるというところはご認識いただければと思います。
一人喋りのメリット・デメリット
二つ目の一人喋りは、今この番組で私がやっているような一人で喋る形式を言うんですが、何がいいかというと楽なんですよね。
思い立ったとき、あるいは配信したいネタが思いついたときに、サッと収録できてしまうというのが非常に楽ではありますので、更新しやすさでいうと、 ハードルが一番低いかなと思います。
情報を発信してみたいと考えるネタも、日頃仕事をしている中で自然と自分の中に溜め込んでいくことができます。 あとは、今回のように、リスナーさんから質問をもらえるようになってくると、ネタを考える必要さえもなくなってきますよね。質問に対して自分の持っている知識を提供することができれば発信することができます。リスナーさんとの関係性ができてくると、 更新はさらに楽になるんです。
ただ、やっていて思うのが、 喋りのスキルは相当必要かなと思います。先ほど、思い立ったときにサッと喋って撮れるっていうメリットもお話したんですけれども、このエピソードの場合だと、ある程度下調べして、「 こういった順番で話そう」というメモ書きをしています。
こういう準備を全くせずに、自分の頭の中で整理して喋れる人、それから話が上手い人っていうのは一定数いると思うんですけれども、 そうじゃない場合、収録後も、結構編集に時間がかかることになります。おおよそ収録時間の倍ぐらいはかかることが多いですね。 今日は約20分ぐらいのエピソードになるかなと思うんですが、だいたい編集に1時間程度かかっています。「こういう構成で話そう」とメモ書きしていく準備にも20〜30分ぐらいかかっているので、話のスキルがない人だと、 配信までにそれなりの時間が必要です。
加えて、注意点として、一人喋りの場合、その時の気分によって喋りづらいときもあります。他人と一緒にお話しをすると、 時間も決まっているので、どんな精神状態だったとしても喋ることができるかなと思うんです。けれども一人で喋る場合、例えばめちゃめちゃイライラしている時、 怒っている時、テンションが下がっている時もありますよね。そういう時に収録しなきゃいけないタイミングが来てしまうと、 喋るためにかなりの力が必要になるかなと思います。
ですので、ある一定のテンションを保ちながら定期的に更新していくには少々自己管理能力が必要です。それは少しデメリットになるかなとは思います。
パネル形式のメリット・デメリット
最後はパネルという形式ですね。これは固定メンバーで集まってディスカッションしていく形式になります。多くの場合、そのうち一人は司会的な回し役になることが多いです。
2〜3人の固定メンバーで話していく場合、それぞれがネタを持ち寄って、 「今日は◯◯さんのテーマで話していく」とディスカッションできるので、そんなに下準備もいりません。 話す際にも、特定のトピックについて普段と変わらない雰囲気でお話して深堀っていく形式になることが多いので、収録や編集にあたっては、 そこまで時間は必要ないかなと思います。
デメリットとしては、やはり2〜3人で話す番組にする場合、日程調整が実は大変だったりします。定例会議のように日程をあらかじめ決めておけるならばいいと思いますが、そうじゃない場合、なかなか時間が合わないみたいなことも実はあるんですね。
それからもう一つ、業務負荷を事前にある程度見積もった上で、業務を割り振っておかないと、誰か1人に業務負荷がかかりすぎる問題が出てきます。毎回特定の1人だけが企画を考えて収録して編集もやるようになると、だんだんその人も疲弊してきます。業務分担を考えるにあたって、企業でポッドキャストを運営する場合、力関係もあって分担が難しい・気を遣うこともあるでしょう。
あるいは、固定の2人で話していたのに、そのうち1人がやめてしまった場合、いきなり1人喋りになるといった事が起こるのもリスクとして存在していると思います。
その他、「ドラマ」「ドキュメンタリー」形式も
といったところで、インタビュー、1人しゃべり、パネルといったポッドキャストのフォーマットをお話ししてきました。
実はそれ以外にも、ドキュメンタリーや音声ドラマというフォーマットもあります。ただ、これらは作り込むのがかなり大変なんですね。我々PitPaも、ドキュメンタリーやドラマを作ったことがありますが、それなりの時間と労力がかかってきますので、ドキュメンタリーやドラマを作る場合には専門の外部の制作会社を入れるのが必須になるんじゃないかなと思います。
PitPa制作事例:ジャパニーズウイスキー 竹鶴政孝の100年
結構作り込んで本当に面白い内容をつくっていくので、会社の創業物語や、あるいは社長の1ヶ月、何かミッションを課せられたチームのスタートから終わりまでみたいな内容を発信したいのであれば、このドキュメンタリーフォーマット、ドラマフォーマットっていうのは本当に面白いものが作れて、会社の宣伝にもなると思いますので取り組むのがいいかなと思います。
ただ、ドラマチックな題材は頻繁にあるものではないかなと思いますので、定常的に情報発信していくポッドキャストにはあまり合わないのかなという気はしています。
継続できるフォーマットで配信することがカギ
繰り返しになってしまうんですが、やはりポッドキャストをやるならば、継続していくことで、リスナーを徐々に増やしていくのが基本的な運営方法になります。長尺を繰り返し聞いてもらうことで、そこから見込み顧客を見つけてきたり、あるいは採用広報として、自分たちの会社の仲間になってもらう人を探し出すっていうところが得意なメディアなんですね。ですので、効果を最大化するためには、長く続けてファンを作っていくっていうところが一番重要な項目になりますので、それがやりやすいフォーマットで運営するのがいいかなと思います。
もちろんどれか一つのフォーマットだけでやらなきゃいけないっていうことはありません。このオウンドポッドキャストインタビューも、インタビュー回もあれば今回のような一人喋りの回もあります。2つのパターンを混ぜた形で続けているんですね。
ですので、同じように、ゲスト回もありつつ、パネル回もありつつ、誰も時間が合わなければ一人喋りの回でやるといったように、これまでお話したフォーマットを組み合わせた運営もアリなんじゃないかなと思います。
というところで、今回はフォーマットについてお話ししてきたんですけれども、ニッキさんいかがだったでしょうか。
PitPaではブランディングやマーケティング、採用などを目的としたポッドキャスト番組の支援を行っております。今回のように、番組のテーマの企画を考えたり、そこから台本も作ったりするお手伝いも可能ですので、もし何かお困りのことがありましたらPitPaのホームページのお問い合わせからお気軽にご連絡いただければと思います。