企業のオウンドポッドキャスト制作を手掛けるPitPaが運営する『オウンドポッドキャストインタビューbyPitPa』。こちらの番組では、企業が配信するポッドキャスト「オウンドポッドキャスト」の作り方のノウハウなど、有益な情報をお届けしています。また、PitPaブログでも、その内容を一部編集して公開してまいります。
今回の記事では、ポッドキャストを運用することが採用活動にも効果的な理由についてお話した回をご紹介します。
Podcastが求職者にとって有益である理由
採用にポッドキャストが有効的なのかについてお話するにあたって、まずは求職者側のメリットからお伝えしようと思います。
1:スキマ時間にじっくり聞ける
ポッドキャストの特徴は、「ながら聞き」ができることから、非常に長い時間をしっかりと聞いてくれる点なんです。完全聴取率が非常に高い。ザッピングしながら見られる動画メディアにはない強みで、長尺のコンテンツを聞いてくれるということは、ロイヤリティも高まりますし、複雑な内容や思いもしっかり伝わります。
中途採用を考えると、ほとんどの方が企業で就業中だと思います。ですので、気軽にカジュアル面談を何回もしたり会社説明を何回も聞きに行ったりするのは、忙しさもあって時間が取れないのではないでしょうか。
隙間時間に「ながら聞き」をしながら会社の情報が入手できるっていうのは、求職者さんの時間活用に関してもいいメディアなのかなというふうに思います。
2:声はその人・その会社の雰囲気を伝える
さらに、求職者の人にとって、自分がこの先長い期間はたらくであろう企業の文化や雰囲気をちゃんと知ることは非常に大切。そういった中で、ポッドキャストは、話している人の声から、人柄とか人間性みたいなのがよく見える。
これはちょっと定性的な話にはなってしまうんですけれども、その企業の社員の方が話している雰囲気を聞けば聞くほど、なんとなくその会社の雰囲気が分かってくるという声を聞くこともあります。
求職者のメリットは、逆を言えば、採用企業にとってのメリットでもあります。効率的に情報を見てもらう工夫として、あるいは、組織カルチャーとのミスマッチを防いだり、求職者に安心感を与えたりするためにも、ポッドキャストで会社説明を行うのも良いかもしれません。
ポッドキャストで配信する企業側のメリット・デメリット
次に、企業側にとってのメリットについてもお話します。
企業側にとってポッドキャストは、カジュアル面談の代わりにもなると思っています。
今やカジュアル面談を実施している企業さんって非常に多い。求職者とカジュアルに面談して、まず会社の文化や雰囲気を知ってもらうことは非常に大切ですからね。
しかし、何が大変かというと、社員さんの時間を取られる点。仕事をしている時間を中断してカジュアル面談を実施することになるので、そこそこ社員さんの負担になっているというお話も聞きます。
話す内容も、毎回結構似たような内容なのであれば、実はポッドキャストが、カジュアル面談の代わりになると感じています。
採用候補者にポッドキャストを聞いて面談に来てもらえれば、会社がやっていることや、目指しているところ、社員の雰囲気とか人柄をかなり理解された状態で面談に来てもらうことができます。
実際に採用候補者からよくある質問をポッドキャストに収録して、質問を受ければポッドキャストのエピソードをシェアしている事例もありました。
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カジュアル面談という工程を一つ飛ばして面談に進めてもらえるので、会社側の工数削減でいっても、有効な手段になるのではないでしょうか。
ただ、逆にポッドキャストを運営する上で気をつけなければならないデメリットとしては、採用応募への効果を期待するには時間がかかる点があります。採用にかかる工数は削減できるものの、ポッドキャストをやってすぐに、エントリーが増えるなど劇的に採用状況が変わるかというと、正直すぐにはあまり変わらないのではないかなと考えます。ポッドキャストは根気が必要です。
採用ポッドキャストで配信すべき情報
採用に関する発信をポッドキャストでやっていきたい。だけど、どんなものを発信していけばいいのかわからないという話も、弊社の問い合わせに届くことがあります。
しかしこれは、誰に対して発信するのかというところによって変わってきます。
大きく分けると、”すでにその会社に応募してもいいかなとちょっと思い始めたような人”と、 “今すぐ転職は考えていないけれども、どこかいい会社ないかなと探している人”に発信するのでは、内容がだいぶ変わってくるんです。
前者の「この会社に応募してみたい」と考えている方にとっては、最近入社された社員さんが、どういう経緯や思いで会社に入ったのかというような社員インタビュー、あるいは、マネジメント層が話す今後の会社の未来、入社してからのキャリアパス、数年働いてきた人のインタビューや、産休育休、社内の部活動やイベント活動などの福利厚生に関する内容を話すことが、求職者にとっては非常に有益かなと思っています。
あとは、その会社が大事にしている価値観ですとか、採用のポリシーみたいなものもいいですね。どちらかというと、社内の方に目を向けたような内容を発信していくのがいいかなと思っております。
逆に、今すぐ転職は考えてないけれども、いずれ転職するときに自分たちの会社を第一想起してくれるための宣伝をしたいという番組については、あまりその社内のことを話してばっかりいると、宣伝的なものに思われてしまいますので、そこまで転職熱が上がっていない人にとっては興味のない番組になってしまいかねないと思います。
ですので、そういった場合には、どちらかというと業界のトレンドなど、将来的に会社に入ってほしい人が普段日常で情報として欲しがるものを発信していけばいいのかなと思います。
今言ったその業界のトレンドとかの話以外にも、社外の人でも使えそうな業務のノウハウだったり情報だったり。例えば弊社では、ポッドキャスト業界のニュースやノウハウをお伝えするようにしています。
ポッドキャストって海外の方がいろいろ情報があるので、PitPaでは、普段から、海外からの情報収集も結構マメに仕事としてやっているんですね。仕事の中で時間を割いてしっかり収集した情報というのは、なかなか他の人が集めにくい情報かなと思います。そういったものを公開していくと、そこまで転職熱が上がってない人でも聞き始めてくれるようにはなるかなと思います。
今は終身雇用がなくなってきたご時世ですので、誰でも、いずれキャリアアップや転職してみたいなと思う時期が来るのかなと思うんですね。そうした中で、普段聞いているポッドキャストって、親近感が湧いている状態をつくるのが得意なので、好意的な第一想起につながる可能性も高いのではないかと思います。さらに、話している人の人間性や会社のカルチャーもわかってくるので、転職の第一候補となる可能性も高いのではないかなと。
実際に、今までやってきたインタビューの中でも、ポッドキャストを普段から聞いてくれていたリスナーが入社してきた事例が一定あるという話もありましたので、結構新しい採用手段として有効なのではないかと思っています。
『オウンドポッドキャストインタビュー』では、オウンドポッドキャスト運営に役立つ情報をお届けしています。他のエピソードも是非、聴いてみてください。