失敗しないために事前に考えたい、オウンドポッドキャストに必要な6項目 | オウンドポッドキャストインタビュー by PitPa

企業のオウンドポッドキャスト制作を手掛けるPitPaが運営する『オウンドポッドキャストインタビューbyPitPa』。こちらの番組では、企業が配信するポッドキャスト「オウンドポッドキャスト」の作り方のノウハウなど、有益な情報をお届けしています。また、PitPaブログでも、その内容を一部編集して公開してまいります。

今回の記事では、オウンドポッドキャスト運営に失敗しないために、あらかじめ考えておきたい6項目について、お話した回をご紹介できればと思います。

ポッドキャスト運営は長期戦。「無理なく楽しく根気よく」続けよう

企業がポッドキャストを運営していく時には、個人で運営するよりもしっかりと準備しなければなりません。

というのも、気軽に始めることができるのがポッドキャストの特徴とはいえ、ある程度下準備をした上で始めないと、なかなか期待した効果が出てこないことも多いのです。

ポッドキャストは、とにかく沢山コンテンツを作って、そのうちの何個かがバズって、人の注目を集める、というメディアではありません。どちらかというと、じっくり長くコンテンツ制作を続けていく中で、じわじわとリスナーやファンを集めていくメディアと言えるでしょう。

ですから、長期的な取り組みになることを見据えながら運営しなければならず、そのための準備も必要になってきます。

大前提として、ポッドキャストをやる上では、「無理なく楽しく根気よく」という3つの標語を当てはめながら、長期間配信を続けて効果を出していくのが良いのではないかと考えています。

「無理なく楽しく根気よく」ポッドキャストを続けるために、必要な下準備を今回は6つに分けてお話していきたいなと思います。

①ポッドキャストが解決する課題を明確にする

1点目は、”ポッドキャストが解決する課題を明確にしておく”ことです。

ポッドキャスト以外でも同じですが、企業としてポッドキャストを運営するならば、目的が必要になります。例えば、「社内のカルチャーに合いそうな採用候補者が現れないから、ポッドキャストで広く社内のカルチャーを伝えていく」といったように、ポッドキャストを始める際には、何を課題感として持っていて、何を解決するためにポッドキャストをやるのか、ちゃんと考えたほうがいいかなと思います。事前にきちんと準備することで、ふと立ち止まって考えたときに、「この課題は、ポッドキャストで解決するの難しいよね」となってしまうことを避けましょう。

先ほど言ったように、”バズっていきなりいろんな人に聞かれる” というのはポッドキャストだと非常に難しいかなと思っています。ですので、短期間で爆発的に広く知られなければならない、などといった課題感がある場合、基本的に解決策はポッドキャストじゃないかなと思います。ポッドキャストはどちらかというと、すでにリーチしている人に対してコンバージョンを上げてもらう、あるいは、親近感だったり共感を抱いてもらうことのほうが得意です。

ですので、最初に課題を整理し、ポッドキャストが解決する課題、ポッドキャストを運営する目的を整理しておくことが大切でしょう。

②リスナーは誰なのか明らかにする

あらかじめ決めておきたい項目の2点目は “リスナーを誰にするのか” です。「誰に聞いてもらいたいのか」「誰の興味関心を集めたいのか」を考えてみましょう。ポッドキャストの特性を考えると、幅広くいろんな人をターゲットにしたい!という形だとうまくいかないことも多いです。

例えば採用で言えば、「『この会社気になる』と自社のホームページを見に来てくれたたけれども、いいことばかりしか書いていなくて、『この中に働いている人ってどんな人なんだろうか』ということを漠然と知りたがっている、20代から30代の、転職をなんとなく考えている人」くらいまで絞ったほうが、番組作りにおいては、非常に作りやすく刺さるものを作りやすくなるのかなと思います。

ペルソナをニッチにすればするほど、リスナーとなる対象人数は減っていくから不安だ、というふうな相談も受けるのですが、実は考え方的には逆なんですよね。ターゲットがぼんやりしているほうが、全員に対して、ぼんやりとした刺さり方しかしないんです。つまり、共感や感動がなかなか生まれにくくなってしまうんですね。ターゲットをニッチにすればするほど、その人たちにズバリ刺さる、共感が生まれるコンテンツが作れるようになるんです。

一部の人にズバリ刺さるコンテンツさえ作ることができれば、そのコンテンツを「これはものすごくいいな」と思ってくれたリスナーが自然にいろんなところで紹介してくれたり、何度も聞きに来てくれたりします。つまり結果として、本当のファンになってくれる人が残りやすいんですね。

ですので、ここは少し勇気を持ってニッチにターゲットを絞るといいのかなと思います。

よくアドバイスとして言っているのは、ポッドキャストを収録している時に、そのニッチなターゲットの像を思い浮かべて、その人が隣で座って聞いているようなイメージで話してみましょうというもの。そうすると、本当にすごくいい番組が撮れるんですよね。

そういう点でも、収録時に「リスナーというのはこういう人」という像をすぐに思い浮かべられるぐらいペルソナを絞って明確にしてもらうことはものすごく大切かなと思います。

③理想の「番組を聞いた後のリスナーの状態」を考える

事前に考えなければいけない項目3つ目は、「リスナーが番組を聞いた後、どういう状態になってほしいのか・どういう行動をとってほしいのか」考えることです。

というのも、その辺が決まらないと、ポッドキャストの番組の中でやる施策や細かいところが決められないんですよね。

例えば、この番組を聞いた人に会員登録をしてほしいのか、イベントに参加してほしいのか、あるいは具体的な購買とかサンプル品を手に取ってもらいたいのか、が違っていれば、番組の中身って変わってくるんですよね。

企業の中でポッドキャストを運営する場合、必ずしも一人で全部やるわけではないと思います。例えば人事の人だったり、PRの人だったり、場合によっては営業の人だったり、開発の人だったりが出演することもあると思うのですが、その中で、みんなが思っている目標が異なっていると、番組やエピソードの中での一貫性がなくなってぼんやりしたような中身になってしまうんです。

ですので、この番組、あるいはエピソードでもいいかもしれません、コンテンツを聞いた後に、リスナーがどういう状態になってほしいのかというのは、出演者含めて関係者全員があらかじめ決めておいて、全員が頭の中に入れておける状態にしたいなと思いますね。

④ホストは誰なのかを決める

事前に考えておきたい項目4つ目はですね、ホストは誰なのか、です。

場合によっては、複数ホストがいるのは全然ありかなと思うんですけれども、ホストになってもらうなら、番組の趣旨をある程度理解して、全体的にその方向へ進めさせていく、主義主張が言えるような人が良いですね。さらに欲を言えば、番組の目的を一番理解していて、課題を解決したいと思っている人がホストになるのが本来は一番いいと思います。

ですが、その方が喋りが難しかったり、時間が取れなかったりすることもあるでしょう。その場合は、誰が代弁者として適切なのかをちゃんと考えないといけないかなと思います。

ポッドキャストは、ホストの熱量が本当に大事なんです。ホストが目的意識を持っている人でないと、リスナー側もそれに乗ってきづらいというところがあるんですよね。なので、熱量を持ったホスト選びというのは今説明している6項目の中でも、かなり重要なファクターになってくるかなと思います。

ホストまで決まってしまえば、番組自体の大枠はかなり固まってきますね。

普通の番組であれば、ここまで決まれば非常に素晴らしい番組ができるかなと思うんですが、企業が運営するオウンドポッドキャストの場合、あと2項目も非常に重要になります。

⑤番組の効果を測る指標を考えておく

5項目は、効果をどうやって測るのか考えておくことです。何をもって「この番組をやってて良かったね」と言えるのか、効果を測る指標を、考えられるだけ考えてもらいたいなと思います。

というのも、どういう効果があるのかを測る指標を明確化していないと、続けている効果があるのかわからないままダラダラとやってしまって、誰もモチベーションが上がらない状態に陥ってしまいがちなのです。ただし一方で、効果をKPIのように「この数字をこれだけ伸ばしていこう」という形にすると非常に疲弊してしまうのも事実なんですよね。ポッドキャストって、一番初めに言ったように「無理なく楽しく根気よく」がとても大切なので、あまりハードな目標設定をしてしまうと無理が出てきてしまいますし、何より楽しくなくなってしまう。各指標に目標を設定するのではなくて、「どうやって効果を測るのか」を考える必要があるかなと思います。

実際の現場では、効果測定方法として、ある一定の層に対して、ポッドキャストを聞いている人とポッドキャストを聞いていない人で、どんな差が出ているのかをアンケートや他のデータと突き合わせて見ていくことをおすすめしています。さらに、結果として、「ポッドキャストを聞いている人のこの数値が上がっていれば、この番組やっている意味があるんじゃないか」というところまで考えておくことができると素晴らしいかなと思います。

効果を測る指標が1つ2つだけですと、場合によってはあまり差が生まれないこともあるかなと思いますので、はじめに言ったように、最初から効果を測る指標を絞りすぎてしまわずに、考えられるものをできるだけ多く取り上げて、どこに効果があったのかを見逃さず、見える化できるようにしておいたほうがいいかなと思います。

⑥投下できるコストを考えておく

そして最後に6つ目ですが “このオウンドポッドキャストを作るにあたってどれだけのお金と時間を投下できるのか” おおよその目安を考えておいたほうがいいと思います。

繰り返しになりますが、ポッドキャストでは、「無理なく楽しく根気よく」が大切です。そうすると、無理のない範囲のお金や時間ってどのくらいなのだろう、と考える必要がありますよね。

お金ならば、月1万なのか、10万なのか、30万なのか、50万なのか。時間も、1週間に1時間とか2時間なのか、どれくらいかけてもいいものなのか、あらかじめ決めておかないと、無理が出てきてしまうかなと思います。採用広報としてポッドキャストを行うのであれば、例えば1人この番組を聞いて採用が決まるならば、月に50万円かけても安いのかなと思ったりもしますし。

ある程度投下できるお金と時間が決まってしまえば、そのリソースをしっかり使って番組を作っていこうというところに集中できますよね。例えば、「月20万円使おう」と決めてしまえば、自社で制作していれば番組制作にお金を投入してもお金が余る、ならば、余った金額はプレゼントキャンペーンやプロモーションにかけよう、ということも考えられると思います。

はじめてポッドキャストを運営する場合、「時間とコストをどれくらいかけていいかわからないな」という方もいらっしゃると思います。その点は、これまで話した、事前に想定する「ポッドキャストを運営する効果」とも関連して考えるのが良いかなと思います。効果から予算を考えることで、「ポッドキャストを運営した結果こういうふうになるならば、これだけお金かけてもいいよね」というところが見えてくるんじゃないでしょうか。「この効果が見込めるから、コストはこれぐらいかけてもいいんじゃないか」というのは、いろんなキャンペーンをやる時の考え方と変わらないと思います。

ポッドキャスト運営の相談はPitPaへ!

今回は企業がオウンドポッドキャストを始める際、まず決めておかなければならない6項目を紹介させていただきました。

このあたり、一人で考えていると煮詰まるところもあるかなと思います。PitPaでサポートできることもあると思いますので、もしお困りであれば、弊社にご連絡いただければと思います。

壁打ちぐらいでしたら、ある程度なら無料でミーティングの中でいろいろお話させていただくこともできますし、その中でどうしてもリソースが必要であれば、それも都度ご相談いただければと思います。

その他、ポッドキャスト運営について質問やリクエストがありましたら、ブログの問い合わせや、ポッドキャストのエピソード概要欄のリンクにあるフォームよりお問い合わせください。

また、この番組では企業様へのインタビューも行っておりますので、オウンドポッドキャストを配信している企業様の中で「インタビューしてもいいよ」という企業様がございましたら、合わせて同じフォームよりご連絡いただければと思います。

それではまた次回!