企業のオウンドポッドキャスト制作を手掛けるPitPaは、新しくポッドキャスト番組『オウンドポッドキャストインタビューbyPitPa』をスタートしました。こちらの番組では、企業ポッドキャスト配信者をゲストに招き、様々なポッドキャストの制作裏話を聞くことで、新しくポッドキャストで発信をしたいと思う皆様に有益な情報をお届けしています。また、PitPaブログでも、その内容を一部編集して公開してまいります。
第6回のゲストは、Ubie株式会社。同社は2020年から、共同代表の久保恒太さんがUbieのメンバーを始めとしたゲストを招き、一緒に雑談するポッドキャストを運営しています。『devchat.fm』はソフトウェアエンジニア・技術・スタートアップなどがテーマとなっており、『Bizchat.fm』はスタートアップ・起業・事業開発などがテーマとなっています。
『devchat.fm』と『Bizchat.fm』を始めたところ、採用候補者との「関係構築(関係値を深め、会社への興味を高めること)」にも効果が出ているそうです。今回はUbieがポッドキャストを立ち上げた経緯や運営でのこだわりなどをお伺いしました。
自分が好きな「ポッドキャスト」であれば、発信を続けられる
──2020年ごろから『devchat.fm』と『Bizchat.fm』をスタートされています。どういった目的でポッドキャストを始めることにしたのでしょうか?
2020年当時、(採用市場における)Ubieのプレゼンスがあまり高くなかったこともあり、採用に苦戦していたんです。それこそ、ビジネス系の人材が9カ月ほど採用できていませんでした。その状況を改善するべく、会社のプレゼンスを高めるためにROI(投資収益率)をあまり考えず、とにかく情報発信の回数を増やしていくことにしたんです。そうすれば、結果的に会社のブランドが出来上がっていくのではないか、という考えがありました。
アドベントカレンダーを1年中続けるなど、会社として発信に力を入れていく中で、自分自身がポッドキャスト好きということもあり、ポッドキャストであれば継続していけそうという思いから、まずはエンジニア向けに『devchat.fm』をスタートしました。
現在の役割としては、自分は基本的にはMCとして話す部分に加えて、どういうテーマ・キャストにするかなどを考えるコンテンツの企画もやっています。その後、収録した音声の編集や発信などに関してはPRのチームに手伝ってもらっています。
──その後、『Bizchat.fm』をスタートしていましたが、チャンネルを分けたのは何か狙いがあったのでしょうか?
周りの人に相談せず、勝手に決めてしまった部分もあるのですが、いちリスナーとして見たときに、チャンネルごとに“色”を分けた方がいいなと思ったんです。
継続的にポッドキャストを聞いてくれるファンを増やすためには、テーマごとに色を分けた方がいいと思い、別々のチャンネルを立ち上げることにしました。この判断が正解だったかどうかは、まだ分かっていません(笑)。チャンネルを分けると、コンテンツの更新など継続性の面で大変なことも多いので、悩ましい部分ではあります。
──「ポッドキャストをやろう」と言ったときの社内の反応はいかがでしたか?
もともと、「誰かがやったらいいんじゃない」という感じだったので、「やってみたい」と言ったら、「どうぞ、どうぞ」という反応をされました(笑)。当時はまだ今ほど組織規模も大きくなく、「とにかく何でもやってみよう」という文化も強かったので、ポッドキャストに関しては「どうぞやってください」という感じでしたね。
──コンテンツの企画、収録、編集などを進めるにあたって、最初から社内の人たちを巻き込んでいたんですか?
最初は自分だけで進めていました。コンテンツがそれなりに更新でき、「意外と続けられるのではないか」という手応えを感じ始めた段階で、1人では大変な部分が多かったのと、自分は決して発信のプロではないので、PRチームに手伝ってもらうようになりました。
ポッドキャスト運営の主目的はリーチではなく、採用候補者との関係構築
──開始から2年ほど経ちますが、手応えはいかがですか。
ポッドキャストのコンテンツ自体がSNSなどでバズりやすいものではないので、リーチ数は目的にせず、採用候補者との関係構築を主目的にしていました。Ubieというスタートアップのことを知らない人が多く、なおかつ選考中の人がUbieの社内の雰囲気を知らない人が多かったので、Ubieへの理解を深めてもらうためにやっていたんです。
2年ほどやってみて、最近は最終面談などで『devchat.fm』や『Bizchat.fm』のコンテンツを聞いた、という話を聞く機会が増えており、手応えも感じてきています。当初イメージしたとおりに聞いてもらっていると感じていますね。
──御社はカルチャーデックの公開など、さまざまな採用広報の取り組みをしていますが、音声ならではの良さはどこに感じていますか?
ポッドキャストをやってみて良かったのは、テキストコンテンツには出せない“深み”が出せる点にあります。実際に声を聞くことで得られる情報量は異なりますし、コンテンツを繰り返し聞いていただけるので理解度も深くなる。その点はすごく良いと思います。
一方で、各コンテンツが50分ほどあり、少しボリューミーな気もしているので、もう少し短くするかどうかは悩んでいるところでもあります(笑)。
──2つのチャンネルを並行して2年以上続けているのはすごいと思います。チャンネルを運営するにあたって、何がモチベーションになっているのでしょうか?
採用を推進していくためにも、ポッドキャストを通じての発信を続けていかなければいけないという責任感はあります。ただ、それ以上に「楽しい」というのが最大のモチベーションになっています。自分自身、いろんな人の話を聞くことが好きなので収録を通じて、いろんな人の話が聞けるのはシンプルにすごく楽しいです。また、自分はnoteなどで記事を書くよりも話す方が得意なので、ポッドキャストのフォーマットが自分に合っているとも思います。人の話を興味深く聞いているだけで、それがコンテンツになるのは個人的にはラクですね。
──『devchat.fm』や『Bizchat.fm』は社内のメンバーがゲストで出演されていますが、出演するメンバーはどういった基準で選んでいるのでしょうか?
『devchat.fm』と『Bizchat.fm』でそれぞれ違います。『devchat.fm』の方がやりやすく、基本的には社内で管理しているスプレッドシートをもとに、新しく入社してきたエンジニアメンバーに話を聞くようにしています。テーマ自体もエンジニアごとに得意としている技術が異なるので、その人が得意な技術をテーマに設定しています。そういう意味では、テーマが考えやすいので、『devchat.fm』は決めやすいですね。
一方で、『Bizchat.fm』は難しさを感じています。事業系に関しては公にすべき情報とそうではない情報があるので、ポッドキャストで話す線引きが難しい。そういった制約があるので、なかなかテーマが考えにくいです。際どい情報が出そうだなと思ったときは、テキストベースで事前に広報に問題ないか確認するようにしています。
──ポッドキャストの効果で何か可視化しているものはありますか?
『devchat.fm』と『Bizchat.fm』はポッドキャスト作成ツール「Ancor」で作成し、発信しているので、視聴回数は見るようにしています。先ほどポッドキャストはリーチが弱いと言いましたが、リピート力が強いので継続して運営することで着実に視聴者も増えています。また、外部からゲストを呼んだ回は視聴者数が如実に増える傾向にあるので、そういった仕掛けも上手く取り入れながら視聴者を増やしつつ、Ubieのことをもっと知ってもらえたらと思っています。
音声番組では、さらにポッドキャストのノウハウがチェックできます!
音声番組では後半、PitPa富山がUbieのポッドキャストに関するお悩み相談を聞きました。ポッドキャストを運営している方ならぶつかりがちな「あるある」なお悩みについて、これまで多数のヒットコンテンツを制作してきた弊社メンバーが回答しています。
ぜひ音声番組もご確認ください。
■Ubie株式会社 採用情報はこちらから
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