自分たちだけで始めるための準備するものと番組設計~企業が運営する「オウンドポッドキャスト」~

企業のオウンドポッドキャスト制作を手掛けるPitPaが運営する『オウンドポッドキャストインタビューbyPitPa』。こちらの番組では、企業が配信するポッドキャスト「オウンドポッドキャスト」の作り方のノウハウなど、有益な情報をお届けしています。また、PitPaブログでも、その内容を一部編集して公開してまいります。

今回の記事では、オウンドポッドキャストの始め方についてお話したエピソードについて、その内容をブログでもご紹介いたします。

最近、日本でも企業が自社の広報目的でポッドキャストを始める事例が増えてきている印象があります。

▼企業が運営しているポッドキャスト番組一覧はこちらの記事もご覧ください
【保存版】2023年版・企業が運営するオウンドポッドキャスト一覧

とはいいましても、ポッドキャスト番組を自社で運営して行くことってできるのか?と悩まれている企業担当者も多いかと思いますので、今回は自社だけでポッドキャスト番組始めるためには、何が必要なのか、準備するものや、中身の番組設計についてお話ししていこうと思います。

準備するもの

準備するものとしてはおおよそ4つになります。

  • 配信システム
  • 収録機材
  • 編集ソフト
  • アートワーク

それぞれについて簡単に解説していきます。

配信システム

まず1つ目は配信システムです。
普段、皆様も、ポッドキャストをApplePodcastSpotify、あるいはYouTubeなど様々なプラットフォームでお聞きかと思いますが、単純に音声ファイルを作っただけですと、そういったポッドキャストアプリで配信はされません。RSSという仕組みを使って、音声ファイルを各ポッドキャストアプリに配信しているのです。

RSSについて、一から作るということもできなくはないのですが、すでに使える便利なツールがありますので、そちらを使うのが良いかと思います。世界に目を向けると、この配信システムはすごくたくさんあるのですが、その中できちんと日本語対応していて分析もそれなりにできるというものとなると、Spotifyが提供しているSpotifyforPodcasters(旧Anchor)が一番メジャーじゃないかと思います。

1アカウントで1番組しか登録できないので、複数番組を運営したいという時にはアカウントを別で作るという手間があるのですが、1番組から始めることになる企業も多いかと思いますので、殆どの場合、まずは不自由なく使うことができると思います。

収録機材

2つ目の収録機材。
これは、オンラインで収録をするのか、オフラインで収録をするのかで、大きく必要なものが変わります。

オンラインの場合ですと、Zoomなどの録音機能がついたオンラインミーティングツールが最低限必要になってきます。

オンライン収録ツールについては、有料版になりますが、「2023年の10月4日に配信している企業ポッドキャストでもオンライン収録が主流に」というエピソードでもお勧めしているriverside.fm が本当にお勧めです。ポッドキャストでは綺麗な音質が重要になるので、お金かける価値があるはずです。

加えてオンラインで収録する上では、できれば外付けのマイクと、イヤホン・ヘッドホンを別で準備していただくと良いかと思います。

次にオフラインの場合の収録機材です。
こちらは本当に凝り出すとどこまでも高くて良いものが出てきますが、大まかに言いますと必要なものは録音機材。音を入力してそれを録音するレコーダー、あとはマイクとそのマイクスタンド。そして静かで反響しない部屋。この3点。レコーダーとマイク&マイクスタンドと収録部屋が必要になってきます。

編集ソフト

次に必要になるのが編集ソフト。

実際に収録した音声から公開を控えたい余分な発言をカットしたり、ノイズが入ってたりするのをきれいにしたり、聞きやすいものを作るために編集作業が必要になってくるはずです。特に企業が公式に発信するならば、編集ソフトを入れて調整したほうが良いかと思います。

無料のものですとaudacityが一番有名で使いやすいです。Adobeで有料版ですがAuditionという優秀な編集ソフトもあり、Adobeのクリエイティブクラウドに入っているのであれば、Auditionはその中に入っていますので、この辺りが使えると思います。

アートワーク

最後は、アートワーク。

アートワークというのは、ポッドキャストの番組を聞いているときに表示される、正方形のバナーとです。番組の顔となる画像ですね。

アートワークを設定するには、正方形のJPEGかPNGで作られている画像が必要になります。アートワークを作るにあたっては、そこに番組名を入れたほうがいいかと思いますので、番組名も合わせて作る必要があります。

 

最低限、この4つを揃えてさえしまえれば、実はポッドキャスト番組の完成です。ApplePodcastやSpotifyに配信することができるようになります。

ただ、最も大切なのは「番組の内容」。このあたりが「なぁなぁ」になってしまうと、始めたは良いけど続かない効果がよくわからないので配信を止めてしまうことになりかねませんので、PitPaでは、せっかく企業としてポッドキャストを運営するなら、事前の番組設計(=番組コンセプト)を大切に してほしいと考えています。

番組設計

ポッドキャストを始めるにあたって、事前に準備したい最も大切な「番組内容」。PitPaでは番組設計のサポートも行っておりますので、その内容の一部をご紹介いたします。

対象リスナー

誰が何のために聴くのか、何を誰に伝えたいのか、番組を聴いた人にどうなってほしいのか。ここが一番重要です。それによって番組の中身が決まってきますので、最初に対象リスナーを決めましょう。

番組イメージ

誰に何を伝えたいのかが決まった後は、その番組はどんなイメージなのかを考えます。1から自分でフォーマット考えていくのは大変ですので、流行っている番組や、自分が好きな番組、気になっている企業が配信しているポッドキャスト番組をベンチマークして参考にしながら構成を考えていきます。

番組への導線

番組自体のイメージがついたら、次に、どこから番組へ動線を引っ張ってくるのか、どうやって聞いてもらうのかを考えます。

ApplePodcastsやSpotifyやAmazonMusicに載せても、検索やレコメンドからたどり着く人は少数。自分たちでも、ある程度積極的に番組をPRしていく必要があります。X(Twitter)などの各種SNSや、自社のホームページといった、一番聞かせたい相手がいる場所からも導線を準備しておく必要があります。

ホスト・ゲスト

次に、誰が話す番組なのかも考えてみましょう。PitPaでは、最も番組の目標・目的に強い思い、意思を持っている人が喋るべきだと考えています。ホストを複数名にして、彼らの会話を楽しむ番組にすることも可能です。ゲストを呼ぶ番組にする場合には、ゲストに “どんな人を” “どうやって”呼ぶのかも考えることが必要です。

その他

さらに、細かいところで言いますと、企業として配信する場合は、予め以下のような事を考えておくと良いでしょう。

・どういった指標を見ていくのか
・どのくらいの尺(長さ)で収録するのか
・どのくらいの頻度で配信していくのか
・話すテーマはどうやって考えていくか
・どれくらいのコストをかけて制作していくか

仲間

最後に、社員でも社外でも良いと思うのですが、番組を一緒に作ってくれる仲間がいると非常に運営しやすくなります。一人で運営していくと、他の業務などとの兼ね合いで更新が難しくなっていく場合もあります。そのため、番組制作をサポートしあえる、さらには番組を続けていくモチベーションになるための仲間がいると良いかと思います。

 

こういった番組の設計、中身の設計を決めてから運用開始するのが、ポッドキャスト制作を成功させる秘訣です。特に企業での発信となると、個人で気楽に随時変更・発信できるものとは違い、周りの人ともコンセンサス取っていく必要があるかと思います。一つひとつのステップを大事に進めていくことが、長く発信を続ける上で大事になるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、企業がオウンドポッドキャストを運営するために準備するものと番組設計についてまとめお話しました。

『オウンドポッドキャストインタビュー』の別のエピソードでは、番組立ち上げ運営を、弊社PitPaのような外部に頼むメリットなども紹介しているので、是非聴いてみてください。