ポッドキャストは気に入った番組を時間が空いた時に一気聞きすることが良くあります。その際、エピソード毎に音量(音圧)が変わっているとリスナー体験は非常に悪くなりますよね。またエピソード内でも音量のばらつき(急な大きい音や語尾が聞き取りにくいなど)があるのも考えものです。
いきなりの大きな笑い声で耳がビックリした経験など無いでしょうか?
そんな音のバラツキを無くし、均一化してくれるのが、今回ご紹介するAdobeAuditonのラウドネス一致機能です。
AuditionはAdobeの有料製品の一つですが、昨今ですとPhotoShopやIllustratorなどがパッケージで入っているAdobe Creative Cloudを契約されている方も多いかと思います。
AuditionはCreative Cloudの中にも入っていますので、Creative Cloudを契約しているのでぜひ使ってみてください。
設定方法
ファイルを開く
先ずはAdobeAuditionを開き「ファイル」から指定の音声を開きます。
こちらの図は良くあるトークパターンの波形です。
赤枠で示している通り、笑い声やマイクに近づき過ぎてしまった時、硬いものを落としてしまった時など音が飛びぬけています。
ラウドネス一致ウインドウを開く
メニューのウインドウから「ラウドネス一致」にチェックを入れて、「ラウドネス一致」ウインドウを開きます。
ラウドネス一致のパラメータ設定
ここでは詳しい説明は省略しますが、各パラメータを以下に設定します。
- ターゲットラウドネス:-16 LUFS
- 許容量:0.5 LU
- 最大トゥルーピークレベル:-6 dBTP
- ルックアヘッドタイム:12 ms
- リリースタイム:200 ms
ラウドネス一致を実行する
「ラウドネス一致」ウインドウに音声ファイルをドラッグアンドドロップで移動させ「実行」キーを押して待つこと1分。綺麗に最大音量-6dbで音が均一化されました。
※音声の尺(時間)によっては処理時間が前後します。1時間くらいのエピソードでだいたい1分くらいかかるイメージです。
古くからやっている日本の人気番組などは最大音量が-2dbくらいの所もあったりしますが、最近のランキング上位番組ですと、-6db前後が多い印象のため、PitPaでは最大音量を-6dbで制作するようにしています。
さらにもうひと手間を
音量は均一化されましたが、実は少し落とし穴があります。
それは小さい音を大きくしている時にホワイトノイズまで大きくしてしまうという落とし穴です。
「サー」というホワイトノイズがある場合は、やはり気になってしまうので、最後のひと手間「ノイズ除去」を行いましょう。
ラウドネス一致を行った音声の波形を全選択し、メニューの「テンプレート」から「ノイズ除去」を実行します。この「ノイズ除去」でおおかたのホワイトノイズは綺麗に取ることができます。(Auditon優秀過ぎます……)
保存
最後に処理した音声を保存します。(「ファイル」⇒「保存」)
ただし、この機会的な処理に少し不安がある場合上書き保存をしてしまうと後戻りできなくなるため、「別名で保存」で「●●(ラウドネス処理済み).wav」とファイルを分けておくのも良いかもしれません。
ひと手間かけてで音声を聴きやすく。リスナーの離脱を無くそう!
音量問題はリスナー離脱要因になる可能性の一つとしてよく上がってきます。
このひと手間での音声品質向上はかなり作業パフォーマンスが良いので是非検討してみてください。
PitPaでは、このような音量の均一化の他にも、様々なツールを使って「破裂音」や「リップノイズ」といったノイズ除去、「えー」や「まー」などのフィラー音除去、自然な会話のように聞こえる間の詰め方などを音のトリートメントを丁寧に実施しています。
また、収録段階から音の環境づくりなどにも積極的に取り組んでいますので、お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
PitPaブログでは引き続き、ポッドキャスト運営者にとって役立つ情報をお届けしていきます。
PitPaが運営しているポッドキャスト「PitPaTalk」や「オウンドポッドキャストインタビュー」でもポッドキャストのノウハウをお伝えしていますので、是非聞いてみてくださいね。
また、PitPaではともに既存のメディアのあり方を再定義し、メディアの未来を創っていくメンバーを募集しています。ご興味が少しでもある方は採用情報もご覧いただければ幸いです。
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