PitPaで制作している『マッチングアプリを使って1ヶ月で恋人出来るか検証してみた』は、マッチングアプリ専門家である伊藤早紀さんをホストに、実際に恋人がいない男女がアプリを使って恋人探しをする一ヶ月を記録したドキュメンタリー番組。今回はこちらの番組に注目し、伊藤早紀さんにお話をお伺いしました。
マッチングアプリで恋人ができない人にありがちなケースや、恋人探しに必要なマインドなどを聞いています。番組と一緒に是非、こちらの記事もお楽しみください!
――伊藤さんがマッチングアプリをはじめたきっかけを聞かせてください。
元々テラスハウスに憧れて上京したんですけど、友達も恋人もできなくて。「東京っぽい人に出会いたい!」という理由ではじめました(笑)皆さんが知っているようなマッチングアプリはほぼ使って、中でもTinderは近くの人とマッチするので便利でよく使ってましたね。Tinderでマッチするために、六本木に出向いてマッチしてたんです。
――確かに六本木は東京っぽい人に出会えそう!そこから、マッチングアプリのコンサルになるわけですよね。
アプリを使っていくうちに、恋人探しよりも、使ってる男性に対して「もっとこうしたら良くなるのに」っていう目線を持つようになって。ちょうどその頃、副業でマッチングアプリのプロフィール添削をやらせて貰う機会があったんです。当時まだ”マッチングアプリ専門家”っていう人があんまりいなかったこともあって、すごく需要があることに気づきました。「女性は沢山メッセージが来てるから『こんにちは』だけのメッセージじゃ差別化できないよ」とか、女性目線を知っていないとわからないことって沢山あったんですよね。それを伝えているうちに、気づいたら本業になってました。
今はそのコンサルの他に、マッチングプランナーがその人にぴったりな人を紹介するサービス『ヒトオシ』も自分で立ち上げています。
――すごい、マッチングのプロですね。今回の『マッチングアプリを使って1ヶ月で恋人出来るか検証してみた』では、その知見を元に、参加者の方々が一ヶ月で恋人をつくるためにコンサルしてくださってます。何か心がけたことはありますか?
基本的には一人で婚活するって孤独なんですよ。なので、アドバイスを求めてもらえるなら、わざとおせっかいおばちゃんの気持ちになって、ビシビシ言う立場になろうっていうのは意識してますね。
女性の恋人探しの失敗ケースは、ハードル上げすぎ・切り捨てすぎにあり
――今回の番組のシーズン1はすべて聞いたんですけど、まさにマッチングアプリ使ってた時代の私を見ているようで辛かったです(笑)理想が高くて、実際に会うフェーズになると、誰とも会いたくなくなるっていう。
シーズン1は女性で、シーズン2は男性をコンサルしているんですが、おふたりとも男女の”マッチングアプリでうまく行かない典型的パターン”ですね。
女性はやっぱり、自分より格上の人と付き合いたいって思ってるんですよ。しかも、厳しいこと言いますけど、その相手を格上だと思っていない事が多い。なのでまず、自分を客観視することが必要なんです。女性の場合、大きく変えなきゃいけないのはマインド面ですね。
――私も思い当たる節があって耳が痛いです……。とはいえ、今回の番組内でもありましたけど、会えたら会えたで、「ヤリモク(付き合うつもりもなくマッチングアプリで出会いを求める人達)」の男性に遭遇してしまうこともあるじゃないですか。だから、慎重に会う人を選びたいって、私も思ってました。ただ、それに対して、早紀さんが番組やTwitterでされている「ヤリモクだって本気になる」っていうコメントが、誰も言ってくれないような正論で、胸に刺さってしまって。早紀さんのフィードバックはいつも、厳しいけどド正論。
「ヤリモク回避」の究極の方法はヤリモクを本気にさせること。
— 伊藤早紀@ヒトオシ (@matchappsaki) February 24, 2021
「ヤリモクに会ってしまった」ではなく「自らヤリモクを選んでいる」し、「ヤリモクしか好きになれない」病にかかってる女性、多すぎる。
— 伊藤早紀@ヒトオシ (@matchappsaki) May 8, 2021
ヤリモクも人を好きになるし、本気で好きな人できたら浮気もしなくなるけど残念ながら大抵の上記のような婚活女子は、そんなヤリモクを本気にさせる術は持っていないのだ。
— 伊藤早紀@ヒトオシ (@matchappsaki) May 8, 2021
年収数千万の医者と付き合いたいとして、自分もそれに見合うように、自分も努力しないと。例えば中身をしっかりしたり、生活を見直したり。今回のパターンだと、鞄を机の上に置いたり、ちょっとした動作がだらしなかった。人によっては、ごはん屋さんで鞄を机に置くの、嫌だったりするじゃないですか。
あとは鞄の中も汚かったり。ナンパ師もよく言うんですけど、鞄の中が汚いのって「ヤれそう」判定されちゃうんですよね。服も露出が高めで、ちょっとぽっちゃりされていて。もちろん顔はすごく可愛いんですけど、だからこそ、本命彼女になれずに終わっちゃう典型的パターン。
女性は、ヤリモクを見極める力も大事ですけど、ヤリモクとして狙われないように自分の見せ方を考えるのも大事なんです。
――他に失敗あるあるなケースってありますか?
今回もそうですけど、それまでにモテた経験がある人も多くて、加えて自分も仕事ができるし、周りも仕事できる人が多いからか、ちょっとでも男性にダメな所があると切り捨てちゃうっていうのは多いんじゃないですかね。
――ハードルを下げるためには、どうしたらいいんでしょう……。
沢山の人に会うのは大事かなと思います。それから、完璧な人を求めすぎないこと。求めている条件に一つでも当てはまらないと付き合えないんじゃないかって考えている人もいると思うんですけど、実際にうまくいっている人を見ると、2~3個条件に当てはまればとりあえず付き合ってみる、って人が多い気がします。
――でも、なかなか、会うのって心のハードル高いんですよね……
わかりますよ。知らない人とご飯に行くのはストレスだろうなっていうのはすごくわかります。でも、10人会ってデートしないとわからないこともあるから。恋人を本気で作りたいなら、チャレンジしてみてほしいですね。
男性がマッチングアプリで出会うために必要なのはシンプルなスキル
――男性はどうですか?どんなタイプがマッチングアプリの失敗に陥りやすいんでしょう。
女性と似通ったところはもちろんあります。自分の中で恋愛対象になる条件がすごく限られていて、「こうじゃないとダメ」っていうのが頑なだったりするんですよね。あとはこれも女性と同様ですが、自分と釣り合っていないパターン。自分がかなり年齢が上でも、「35歳までしか女は子供を産めないから、嫌だ」とか「20代女子が良い」とかも平気で言ったりする。
――男女ともに、相手を知る前から条件だけ絞りすぎってことですね。確かに、この世に実在しない理想を追いかけてるみたいなこと、ありそう。
マッチングアプリって、目的が大事だと思うんです。結婚相手を見つけるっていう目的でもいいし、ただただ恋愛を楽しむっていう目的でもいいけど、とにかく目的を持つ。
服を買うときも、自分が何を買うか決まってないと、何見てもピンと来ないじゃないですか。マッチングアプリをやるときも、どういう人に会いたいかが決まってないと、どの人を見ても微妙だし、どの人に会ってもピンとこない。
だからこそ、マッチングアプリを使う目的が必要。私が運営しているサービスでも、オンラインで面談で必ず「どんな人生送りたいんでしたっけ」っていう質問からしてますね。
――「どんな人に出会いたいんだっけ」「なんのために異性と出会うんだっけ」がないと、無数にアプリの中に異性がいますもんね。迷子になっちゃいそう。
ただ、男性はそもそも、見た目や会話をどうすればいいかわかってないパターンも多いですね。マッチングアプリ上のプロフィールも、女性の方が断然作り方が上手い。写真も自撮り文化があったからなのか、圧倒的に女性のほうが撮るのがうまいし、プロフィールに使えるような写真を持ってる。
それから、そもそも男性って見た目の整え方や似合う服がわからないことも多いですね。女の子慣れしてなくて、会話の方法がわからないことも。あと、初回のデートでチェーンの居酒屋予約しちゃうとか。
――そんな人実際にいるんですか?!(笑)Twitterでしか見たことない。
今回のエピソードでも実際に起こったんですよ!本当に男女で情報って分断されてるんですよね。女性側からは当たり前の「チェーン店がなんとなくダメ」ってことも、本当に男性側は知らなかったりするんです。
マッチングアプリこそ、第三者のアドバイスが必要。音声番組を聞いて学べる大事なエッセンス
――これまで早紀さんがコンサルしてきた方で、マッチングアプリで幸せを掴んだ方も結構いらっしゃるんですよね。
沢山いますよ。一人は、私が眉毛カットから何から全部指示して、洋服も一緒に選んだ人ですね。その人は眉毛カットもやってくれたし、服も「一枚5000円以内なら」という制限はもらったものの、ユニクロで選んだ服を着てくれた。渋々、「先生が言うなら仕方ないのでやります」って感じでしたけど。でも、ちゃんとアプリで彼女を作って、結婚もしました。嫌々でも、とりあえずやってみることで変わることがあるんですよね。
今回の番組でコンサルした男性も、見た目やプロフィールを変えてもらった結果、今まで全然マッチングしなかったのが、女の子に会えるようになったって言っていて。男性はマッチングアプリで会えるまでがすごく難しいので、会えるようになったら、どんどん新しい経験も積めるだろうと思ってます。
――やっぱり、コンサルを受けて恋人ができる人って、「素直な人」なんですかね……?
まさにそうだと思います。逆に、自分からアドバイスを聞きに来ているのに、アドバイスを活かせない人は、結局うまくいかなくて前に進めないっていうパターンが多いですね。恋愛って別に矯正されるものでもないし、結婚しなくても誰も不幸にならないので、自由にすればいいとは思うんですけど、結果を出したくて他人にアドバイスを求めたなら、自分を変える勇気を持たないといけない。
――伊藤さんがTwitterで言ってた、「ありのまま」の話も面白かったです。「ありのままの私を愛してほしい」と思うけど、そのためにはまず、好きになってもらう努力が必要。
昨今の「ありのままでいい」とか「自分らしさが大事」とかの風潮が婚活難を助長してると思う。ありのままの自分を好きになってもらうには初対面は女性はメイクやファッションや愛嬌、男性も見た目からエスコートまで必須。そこ怠るから本来の自分以外の部分で減点されて好きになってもらえない。
— 伊藤早紀@ヒトオシ (@matchappsaki) April 13, 2021
みんな、頑張ることに疲れちゃってる世の中ですけど、婚活で言えば「ありのまま」だけじゃダメ。白目向いてる寝顔もかわいいなって思えるのって、好きになった後だからこそなんですよ。
婚活においては、自分の殻を破ることと、自分を客観視するのが大切です。「デートするの面倒だ」とか、「自分を変えたくない」だとか思うでしょうけど、恋人ができなくて悩むくらいなら、何かしら行動を起こさないと。
――「ありのままを愛してほしい気持ち」と、「自分の殻を破る努力」。両方必要な婚活って面白いですね……。そしてそれって、自分だけじゃ頑張れない気がしてきました。
そうですね。頑張っている間にどうすればいいかわからなくなったときにも、第三者が「元々はこうしたかったよね?」って最初の目的に立ち返らせてあげることもすごく大事ですし。最初にお話したように、異性の目線ってすごく大事なので、異性の友達に見てもらいながらマッチングアプリでの出会いにチャレンジするのはすごく良いと思います。
――私達、マッチングアプリ使ってきた経験は豊富ですけど、意外にも”使い方”ってわかってない気がしました。この番組で、他人の使い方をドキュメンタリーで見て改めて感じましたね。早紀さんのフィードバック含め、すごく勉強になりました。
ありがとうございます。
――最後に、この番組でここはぜひ注目して聞いてほしいという部分はありますか?
マッチングアプリの使い方はもちろんなんですけど、何より大事なのは、マッチングアプリに向き合うマインドの部分。マッチングアプリ上のプロフィールの改善って、ネットで探せばいくらでも記事が出てるし、そもそも応急処置でしかなくて。マインドを変えないと、マッチングしてもその先うまくいかないので、その部分について、番組でも何度も指摘していると思うので、注目してもらえたらと思います。
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伊藤早紀さんが、恋人を一ヶ月で作りたい男女をビシバシ指導しながら進んでいく『マッチングアプリを使って1ヶ月で恋人出来るか検証してみた』は、現在シーズン2が公開中。他人の恋人探しを聞いてみると、沢山の発見があります。すべてのマッチングアプリ経験者に、おすすめの番組です!
<伊藤早紀プロフィール>
恋愛メディア『マッチアップ(https://match-app.jp/)』の編集長、マッチングアプリ専門家として1000人以上の未婚男女に取材し、最旬のマッチングアプリ情報を発信している。2021年1月に紹介型マッチングサービス『ヒトオシ(https://hito-oshi.com/)』をスタート。