この記事では、株式会社PitPaの社内の様子をお伝えするオウンドポッドキャスト番組「PitPa Talk」の内容を、一部編集して掲載しています。今回は、PitPaポッドキャストチームの制作・今泉とセールス・鈴木の二人が、「好きを仕事にすること」をテーマにお話しています。
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PitPaに辿り着くまでの、これまでのキャリアは?
鈴木 本日は「好きを仕事にすること」がテーマです。世の中的には、好きなことを仕事にするのは割と賛否両論あるテーマですよね。僕も今泉さんも、音声コンテンツが好きでPitPaに入社しているので、今回は、実際に好きなことを仕事にした僕たちのクロストークをお届けします。
最初に、それぞれの経歴とPitPaに入社した理由について話しましょうか。
今泉 僕は、PitPaでポッドキャスト番組の制作プロデュースをしています。学生時代からずっとラジオが好きで、大学卒業後はラジオ業界に行きたいと思っていました。しかし、なかなか就職活動が上手くいかなくて、ファーストキャリアは放送作家として働きました。その後、ラジオ局へ転職するために身につけるべきスキルを調べていたら、Web周辺の知識が求められていることがわかって、今度はWebディレクターの道へ進みました。
すると、ある時にIT人材を募集しているラジオ局をちょうど見つけて、ご縁あってそこに入社し、IT業務と番組作家を兼務しながら働いていました。なので、遠回りしながらも最終的には「好きなこと」に辿り着いた形ですね。
PitPaに入社した理由は、ある程度ラジオ局でキャリアを積んだタイミングで、一度、音声業界の全体を見てみたいと思ったからです。
鈴木 今泉さんはラジオがお好きですもんね。ラジオでは、どのような番組をよく聞いていましたか?
今泉 昔は、TOKYO FMの『SCHOOL OF LOCK!』という10代向けの番組が好きでした。人生にすごく悩んだ時にその番組に辿り着いて、同じ悩みを抱えている人がいるんだって思った時に救われた記憶があって。それで、「いつかは発信する側になりたい」と思ったんですよ。ただ、最近は深夜ラジオが好きですね(笑)。
鈴木 たしか、前職はラジオNIKKEIさんでしたよね。番組の毛色が大分違うと思いますが、その点は気にならなかったですか?
今泉 あまり気にならなかったですね。入社して数年後に、自分で自由に番組を作る機会をいただけたので、納得感がある環境で働かせてもらっていました。
鈴木 いいですね、ありがとうございます。では、僕も簡単に自己紹介させてもらいますね。僕は昔からアニメや漫画が好きで、いわゆる「オタク」な学生時代を過ごしてきました。
約20年ほど前のアニメ文化は、ドラマCDなど音声にフォーカスしたコンテンツが多い時代で、僕が好きだった「東方Project」という著作物もボイスドラマなどの二次創作がたくさん作られていました。その頃から音声を聞く文化に馴染み始めて、いつでもイヤホンをしているような人間でしたね。
そして、大学生で1人暮らしを始めたら一気に生活リズムが崩れて、そのタイミングで深夜ラジオにどっぷりハマってしまって(笑)。そこから、オタク文化に限らず、音声コンテンツ全般を好きになったという背景があります。
キャリアの話でいうと、PitPaは5社目で、それまでは音声とは関係ない道を歩んできています。昔は、何か具体的なものに携わりたいというよりも、気になる職種や成長機会があるかどうかといった観点で会社を選んでいたんですよね。けれども、そういう軸で選んだ会社って、僕はあまり長続きしたことがなくて。
そこで、2度目の転職の際に「好きなこと」を軸に仕事を選んでみようと思ったんです。当時、僕は毎日飲むくらいお酒が好きだったので、3、4社目はお酒関係の会社に入社しました。この2社は比較的長く続いたので、次も「好きなこと」を軸に違う業界に転職しようと思い、音声コンテンツに関わりのあるPitPaに入社しました。
今泉 なるほど。ファーストキャリアの選択軸は「好きなこと」というよりも、成長意欲が満たされるかどうかだったんですね。
鈴木 そうですね。加えて、実は大学を半分留年している関係で就活をしていなくて、「とりあえず働かなきゃ…」という気持ちで適当に就職してしまったこともあり、早い段階で退職してしまったんです。
当時は、華があると言われていたマーケティングの職種に就けたので楽しめるかと思った一方で、やはり事業内容に興味を持てなくて。誰かに事業の魅力を伝えるにも、なかなか価値を発揮できなかった実感があったんですよね。
「好きなこと」を仕事にすると、嫌いになるって本当…?
今泉 今では「好きなこと」を仕事にしている二人なのに、ファーストキャリアの選択軸が全く違うのは面白いですね。
鈴木 そうですよね。今泉さんはすごく計画性がある印象でした。
今泉 いや、そんなことはないですよ(笑)。本当は、やはりラジオ局にストレートで就職したかったので。けれども、ラジオ局ってそもそも採用を行っているところが少なくて。それこそ、大手のラジオ局は毎年行っているものの、他は3年に一度とかのスパンでしか採用していないんですよね。
鈴木 紆余曲折を経てお互いに好きな業界に辿り着いたと思うのですが、改めて「好きなことを仕事にする」ってどうですか?
今泉 好きなことを仕事にすると嫌いになってしまうという話もありますが、私は嫌いになったことはないですね。一方で、他の業界や会社の働き方が気になることはあります。鈴木さんはどうですか?
鈴木 僕も嫌いになることはないですね。むしろ、より好きになって飲酒量が増えた気がします(笑)。
そういえば、好きな世界に飛び込んだ3社目の時はキャリアをゼロからスタートし直そうと思っていたので、給料も仕事内容も気にせず、「とりあえず働かせてください」と伝えた記憶があります。
今泉 僕も一緒ですね。放送作家になった時、そのような気持ちでした。
鈴木 少しでも「好きなこと」を自覚しているのであれば、なり振り構わずに始めてみるのが良いですよね。
3社目のとある時に、管理部門の人が辞めてしまった影響で経理をしなければならなくなったことがあって。ただ、僕は細かい作業が苦手なんですよ。なので、試行錯誤しながらやってみたものの、やはり楽しさも魅力も感じなくて(笑)。
けれども、お酒の会社で酒蔵の伝票を見てるのは面白かったんです。好きなものに関わることだと、たとえ苦手な作業だとしても、そこから一歩踏み出して考えてみようという気持ちになると気づいたんですよね。この気づきを業務にも生かせば、もっと事業に対して価値を発揮できるのではと思いました。
今泉 一般的な感覚だと、お酒が好きで入った会社なのに苦手な経理を担当させられると辞めたくなるのではと思ったのですが、そうではなかったと…。
鈴木 そうなんですよね。好きなことに関われること自体や、自分にも貢献できることがあるという事実が嬉しかったんですよね。
「好き」の感情に加えて重要なのは、興味を持ち続けられるかどうか
今泉 鈴木さんの話を伺って思ったのは、「好き」という感情に加えて、興味を持ち続けられるかどうかも重要なのかもしれませんね。苦手なことを目の前にしても、違う角度から興味を持ち続けられたことで長く働くことが出来たのかもしれないなと。
鈴木 たしかに、そうですね。あとは、「なぜ、それが好きなのか」という点もあると思っていて。例えば、お酒が好きだと言っても、単純に酔っ払うことが好きなだけであれば、もちろん伝票なんか見ても酔えないので面白くないですよね。
でも、僕の場合はお酒の文化的な側面に興味があったり、 味覚を科学的に解明していくことが好きだったり、あとは業界全体をより発展させたいという思いもあって。そうすると、お酒への関わり方がどんどん広がっていくと思うんです。
また、これも3社目の時の話ですが、管理部門の責任者として事務的なことをやりつつも、新規事業の立ち上げを任せてもらえたこともあったんですよね。つまり、目の前のやるべきことをやっていれば、どんどん任せてもらえるようになりますし、色々なことがより一層楽しくなって可能性も広がりますよね。
今泉 たしかに。自分が希望する職種で入社できなかったとしても、選択肢を自分の中で広げていけるのであれば、楽しさを感じられるようになったり、同じ業界の中で転職しやすくなったりするかもしれないですからね。
ちなみに、鈴木さんはアニメ系の音声コンテンツや深夜ラジオが好きでPitPaに入社したとのことでしたが、PitPaのポッドキャストってビジネス系が多いと思っていて。その点は気になりませんでしたか?
鈴木 先ほどのお酒の話と一緒で、気にならなかったですね。例えば、深夜ラジオに関しては、出演している芸人さんやお笑いが好きという側面があって、もう一つは流し聞きができる音声コンテンツの特性が好きな側面もありました。なので、それらの要素さえあれば、深夜ラジオでなくとも同じ音声コンテンツであれば良かったんですよね。好きなことに関して「なぜ好きなのか」の解像度を上げておくことが大切だと思います。
今泉さんも、元々は「若い人に番組を届けたい」という思いが一貫してあったと思うのですが、その点におけるギャップはありましたか?
今泉 私は、将来的にまたラジオ局に戻りたい気持ちがありながらポッドキャストを極めたいという明確な目的意識があるので、このジャンルじゃないと…というのはないですね。ポッドキャストの本質さえ理解できれば、他ジャンルの番組にも転用できると思いますし。
音声業界は、「螺旋状」に巡りながら進化する
鈴木 改めて、 PitPaに入社して感じられていることはありますか?
今泉 やはり、ラジオとポッドキャストは全く違う面白さがあると思いますね。詳しくは過去のエピソードも聞いていただければと思うのですが、ラジオはどちらかというと喋りにフォーカスしている一方で、ポッドキャストは何か目的を持って話す要素が強く、台本や構成の組み立て方も異なります。
また、ラジオは偶然の出会いで聞かれることがある一方で、ポッドキャストは自分で調べて聞くケースが多いという違いもあります。
▼ラジオとポッドキャストの制作における違いはこちらの記事もご覧ください
ラジオ局出身メンバーが語る、ラジオとポッドキャストの違いって? │ PitPa Talk
鈴木 僕も、改めてPitPaに入って思うのは、音声だからこその魅力ってたくさんあるなと。
音声はテキストや動画と比較されることが多いと思いますが、先ほどお伝えしたように、音声は流し聞きができることや人の温度感があること、また、話者とリスナーの距離が近いといった魅力を改めて感じています。
かつて、ラジオが流行った時代があったので、音声コンテンツは少し昔のものというイメージを持たれがちなのですが、時代って「巡る」じゃないですか。
ファッション業界でも、何十年も前に流行ったものが再びブームになることもあって、時代が「巡る」と言うけど、それは「円形」じゃなくて「螺旋状」になっているんだと思っていて。ただの円だったら同じところに戻ってくるけれど、螺旋って上から見たら同じところに戻っているようで、横から見ると登ってると思うんですよ。要は、巡りながら進化してると。
音声業界も、これから螺旋状に巡ってくるタイミングだと思うんですよね。昔に比べても、オンデマンドでどこでも聞けるようになりましたし、 ワイヤレスイヤホンが普及して聞きやすい環境も生まれているし、コンテンツを作るためのツールもどんどん生まれている。業界の中にいるからこそ、そういう可能性をひしひしと感じますよね。
今泉 音声コンテンツに限らず、伸びてる業界はどんどん進化していますし、コンテンツ面だけではなくて技術面でも楽しめると良いのかもしれないですね。
鈴木 そうですね。改めて「好き」の解像度を上げると色々な共通項が見えてくると思いますし、何かしら共通点が見えるんだったら、目の前のことを一度トライしてみると良いと思います。(了)
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