この記事では、株式会社PitPaの社内の様子をお伝えするオウンドポッドキャスト番組「PitPa Talk」の内容を、一部編集して掲載しています。今回は、PitPa創業メンバーの富山と、ポッドキャスト番組制作担当のKON(@konteer10)が「番組制作経験ゼロで会社を立ち上げてから、人気ポッドキャスト番組を作れるようになるまで」をテーマにお話しています。
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音声SNSをピボットし、ポッドキャスト事業へ
KON:富山さん、本日はよろしくお願いします。
富山:よろしくお願いします。
KON:まず、初めましての方もいると思うので、僕たち2人の自己紹介を軽くできればと思います。
僕は、PitPaで番組の制作全般を担当しているKONです。番組の企画や、台本の制作、音声の編集などを行っています。 また、コンテンツのSNS発信や配信後のデータ分析、レポート作成なども担当しています。
富山:PitPa取締役の富山です。元々はポッドキャスト事業部のプロデューサーとして番組を制作していたのですが、現在はポッドキャスト事業をどう収益化していくか、推進していくかを考える役割を担っています。
KON:PitPaは富山さんと代表の石部さんとお二人で創業されていますよね。
富山:そうですね。立ち上げ当初は、2人で「音声」を軸にしたサービスを作ろうという話をしていました。その理由に、私が元々Web系企業の出身で、メディアを作って収益化するなど、メディア事業での経験があったという背景が一つあります。加えて、石部さんも元々リクルートでエンジニアとして働いていたという過去があり、それぞれの得意領域を活かす形で会社を立ち上げたのがきっかけですね。
KON:お二人とも音声コンテンツの制作経験はゼロだったわけじゃないですか。けれども、創業してすぐポッドキャストランキング10位に入るほどの番組を作られていたと僕の一次面接で聞いた気がするんですが(笑)。それってすごいなと思っていて。
というのも、いまだにラジオの制作会社でさえランキングに入るほどの人気番組を制作できずに苦しんでいると思うんです。どうやってここまで成長できたのか、とても気になります。
富山:正直、偶然もあるかもしれません(笑)。とはいえ、大きく分けて2つの理由があるかなと。
一つは、僕自身インターネット業界に入ってもう10年ほどになるのですが、「メディアに人が集まるために必要なコンテンツとは何か」をずっと考えてきた知見があり、それが役立っているのかなと。
もう一つは、海外では音声ビジネスの事業を拡大できている企業がすでにいくつか存在していたんです。ただ、当時は日本ではまだあまり認知されていなかった。とはいえ、日本でも今後流行っていくだろうという仮説の元、最初に立ち上げたのが音声SNSのアプリでしたね。
KON:たしか、『Clubhouse』のような音声アプリを作っていたんですよね。
富山:まさに、そうですね。「友人が話しているのを聞く」という体験をメインに提供していたのですが、コアなファンもたくさん出てきたんです。1日に何時間もそのアプリを使って話したり、聞いたりする人がいて。
ただ、そこからユーザー数が伸び悩んでしまったので一度ピボットし、代わりにポッドキャスト事業をやろうという話が持ち上がったんですね。
音声アプリ立ち上げの経験を通じて、何が音声コンテンツの市場で良しとされるのか、そしてユーザーさんにどうやったらハマってもらえるのかが分かっていたのでその経験が今にも活きていると思います。
KON:なるほど。日本ではまだまだ盛り上がっていないタイミングでの立ち上げは、結構思い切った決断だったのではないかと感じます。とはいえ、富山さんと石部さんはそこに可能性を感じられてPitPaを創業されたということですよね。
富山:そうですね。海外で誰も成功していなければやらなかったと思います(笑)。ただ、アメリカや中国ではすでに成功しているプレイヤーが多数存在していた。なので、やり方によっては日本でも可能なのではないかと感じたんですよね。
KON:海外の成功事例を日本版にローカライズした、ということですね。
富山:そうですね。とりあえず「やってみよう」の気持ちでしたね。僕自身、過去にいろんな事業でたくさん成功、失敗してきているので…
KON:富山さんのその辺りのお話はまだあまり聞いたことがない気がします(笑)。
富山:まず成功体験でいうと、月額でコンテンツを生産する制作会社を立ち上げたことがあるのですが、非常にうまく展開できて、イグジットした経験があります。
KON:反対に、失敗体験はどのようなものがありますか?
富山:結局、ビジネスにおいて利益を貪ることって簡単にできちゃう場合も多いんですよね。しかし、そういう姿勢ではやはりビジネスは長続きしないなと感じました。
制作経験ゼロだったからこそ成長できたPitPa
KON:僕が入社したのは2020年1月なので、創業当時から1、2年ほど経ってPitPaのポッドキャスト事業のフェーズが変わってきたのではないかと感じています。
富山:そうですね。最初、僕と石部さんで音声コンテンツを作り始めて「果たして面白いものが作れているのか……」と模索していた段階が第1フェーズですね。
そのタイミングでちょうどKONさんが入ってきてくださって、面白いものが作れるのではないかと可能性を感じた記憶があります。
KON:当時はオリジナルの番組を色々作っていましたよね。
富山:そうですね。そのうち3割ほどの番組は当たるのではないかという実感がようやく出てきて。そこから、やはりご飯を食べていかないといけないので(笑)、売上をどう作るかを考えるフェーズに今ちょうど移った、という形ですかね。
KON: “面白い番組を作る”フェーズから “お金を払っていただける番組を作る”フェーズに変わったということですか?
富山:そうですね。やっぱり面白いだけの番組を作っていても売上に繋がらなければ会社がそもそも続かないので。
KON:ポッドキャストはYouTubeと違って、数万回再生されたとしてもプラットフォームからほとんど収益を分配してもらえない世界ですからね。やはり戦略を変えていく必要はありますよね。
KON:僕はその売上につながる仕組みを作る部分が苦手でコンテンツ制作が得意領域ではあるので、改めて富山さんがどのようなお仕事をされているのかお伺いしたいなと。
富山:端的に言うと、PitPaが今展開しているそれぞれのメディアやコンテンツがちゃんと収益になるのか、その仕組みを考えるのが僕の主な仕事ですね。
例えば、今世の中的にITエンジニアの人手が非常に足りないという課題があって、費用をかけてでもエンジニアを採用したいという企業が多く存在しています。そうした中、ポッドキャストリスナーの特性を分析していた時に、ITエンジニアの方の割合が高いことが分かったんですよね。
そこで、ITエンジニアを採用したい企業に対してポッドキャストを採用広報の手段として提案すれば商品になるのではないかと思い、エンジニアのポッドキャストが生まれたという背景があります。
KON:ラジオの制作会社にいる方でも、富山さんのような発想をされる方はなかなかいないと思います。富山さんも石部さんも制作経験ゼロだったからこそ、PitPaが成長してきているのではないかと強く感じますね。
富山:ITビジネスはやはり市場の流れが早いので、市場が必要とするものを提供し続けて見返りをもらう、それをひたすらやってきた経験が今も活きているのではないかと思いますね。
ポッドキャスト事業の面白さとは?
KON:反対に、未経験ゆえに苦労した部分はどのような点がありますか?
富山:苦労した点は、やはり音声って目に見えない部分、例えば感情などデータとして分析できないものもあるので、正解がまだまだ見えていない部分がありますね。
KON:とはいえ、ラジオ局出身の僕からすると、再生完了率やどのタイミングで離脱しているかなどのデータを見れるのはすごいなと思っていて。その点にポッドキャストの面白さを感じます。
富山:たしかにそうですね。僕も昔、商品のランディングページを制作していた時に、ページのどこまでを読んでくれたのか、どの文章にどのくらい注目してくれたのかといったデータを可視化する「ヒートマップ」を見ながら改善を繰り返す経験をしていたので、その経験は活きていると実感していますね。
KON:多くの制作会社はコンテンツを “作って終わり”にしているのではないかと。ただ、ポッドキャストはどちらかというと “作った後”の方が重要ですよね。
つまり、配信後のデータを見ながら改善を丁寧に繰り返してきたからこそ、今PitPaはうまく波に乗れているのではないかと。その点は、僕が入社する前からお二人がされてきたことだと感じていました。
富山:そうですね。クリエイティブって自己満足になってしまうことも多いと思うんですけど、やはり評価は他者がすることですからね。
僕が昔言われた言葉で心に残っているのが「自己否定」という言葉です。つまり、「自分だけが良いと思っているものなんて、他者はどうとも評価しない」という話で、悲観し続けるからこそ良いものが生まれるという考え方なんですね。ちゃんと、他者が良しとするデータがあってこそ、それが本当に良いものだと。
KON:たしかにそうですよね…今の言葉はすごくグサグサと刺さりました(笑)。
いろんな業界とビジネスを経験されてきた富山さんからみて、今後の音声コンテンツ市場の可能性やPitPaが今後どのように事業を展開していくのかといった点を最後にお伺いさせてください。
富山:他社の調査をみても、ポッドキャストのリスナー人口は徐々に増えてきていて、企業が番組を作るという例も増えてきているのではないかと。今後も市場的にはどんどん拡大していくのではないかと思いますね。
その肌感がある割には周りが動いている雰囲気がないので、「宝を見つけたもの勝ち」だと思っています。いくつかの企業さんからすでにブランディング用の番組制作依頼をいただいていることもあって、市場のニーズが明確になりつつあるのでそれを確実に事業化していきたいですね。やりたいことがたくさんあるので、来年もたくさん楽しいことができそうです(笑)。
今、PitPaに足りていない人材は?
KON:ここからはPitPa内部についてお話いただけたらと思うのですが、事業を拡大していくにあたって人がまだまだ足りていないと。その中で、経営目線として「こんなスキルや経験を持つ方にきてほしい」などあればお伺いできますか?
富山:前提として、現時点で10人にも満たない小さな会社ではあるのですが、これからどんどん成長させていくフェーズです。なので、「音声コンテンツを収益化していく」という点に興味がある方はぜひ入っていただきたいですね。
とはいえ、応募要件としてスキルの制約はなく、メンバーと話し合いながら一緒に事業を作っていきたいと思っているので、音声ビジネスへの興味とモチベーションがあれば嬉しいです。
実際、KONさんも音声コンテンツの制作をベーススキルとして入社してくださったものの、今では僕たちと一緒に収益化の部分を考えてくださっていますしね。
KON:最近だと、今年4月にリリースしたワインに関する番組の収益モデルを考えさせてもらったのですが、普通の制作会社ではなかなかできない経験だと強く感じましたね。
※プレスリリースはこちら:文化放送とPitPa の共同制作番組がスタート、ワイン初心者のための番組『ワインのガッコウ』
富山:そこが楽しいと思えるのであれば良いですね。KONさんは今もう1人でビジネスとしてどう収益化するかを設計されていると思うので、入社後にどこまで前のめりにやれるかだと思います。
KON:入社してから、「これしかできません」のマインドではダメだと石部さんにめちゃくちゃ言われましたね(笑)。今ではスタートアップならではの成長を感じられているので、入社してよかったなと思います。
最後に、PitPaに少しでも興味を持ってくださった方はPitPaの採用情報ページからご連絡いただけましたら幸いです。面接というよりは、今のお仕事やお互いのバックボーンなどをカジュアルに話す場にできたらと思っています。また、最初は副業や業務委託といった形から始めていただくことも可能なので、ぜひお気軽に応募いただけたら嬉しいです。
おわりに
今回は、PitPa創業メンバーである富山さんと、音声コンテンツの制作を担うKONさんのお二人にお話いただきました。今後も、PitPaのメンバーが回毎に入れ替わりながら登場していきます!お楽しみに。
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https://en-gage.net/pitpa_career/?via_work_page=3543139
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