今海外で話題、日本でもじわじわ増えている「ビデオポッドキャスト」とは何なのか?

今話題の 「ビデオポッドキャスト」とは 何なのか?PitPaのPodcastプロデューサーが解説。

Podcastがお好きな方なら、一度は「ビデオポッドキャスト」というワードを聞いたことがあるかもしれません。海外ではPodcasterたちが取り組み、人気番組も生まれているビデオポッドキャスト。日本でもジワジワと話題になっています。

しかしその一方で、「YouTube動画とどう違うの?」「みんな何のためにやっているの?」など、まだまだわからないことも多数。

今回は、PitPaでPodcastプロデューサーとして働き、自身もビデオポッドキャストに挑戦中という昆さんに、ビデオポッドキャストについて詳しく聞きました。

ビデオポッドキャストとは一体どういうものなのか?

——今回のテーマはビデオポッドキャストなのですが、これってどういう動画を指すんでしょうか?

ビデオポッドキャストは、Podcastを収録している現場を撮影した動画ですね。

一般的なYouTube動画はテロップが入ったり、効果音が次々と入ったりしますが、ビデオポッドキャストはもっとシンプルな動画になっていて、喋っている人が映るように画面が切り替わるくらいのシンプルな動画になっています。

——なるほど。ビデオポッドキャストは、今流行っているんですかね?

海外では人気番組が生まれていますね。Podcastリスナーなら誰もが知っているジョー・ローガンの番組ですが、Spotifyで再生すると、動画も一緒に再生されます(※オーディオのみの再生も可能)。YouTubeでも配信していて、1,000万回以上再生されている動画も多く、中には5,000万回以上再生されている動画もあります。

Daddy CorbuzierというPodcastは、インドのメンタリストがゲストを呼んで話している番組で。YouTubeでも平日毎日動画を配信しているのですが、配信1日で100万回再生を超える人気番組になっています。

——確かにYouTubeはプラットフォームのパワーがすごいですもんね。それにしても、ものすごい再生数。やっぱり狙いは再生数を獲得するためなのでしょうか。

もちろん、動画自体の再生数を伸ばして、YouTubeからも収益を得る狙いもあると思います。ただ、収益化まで行かなくても、Podcastに充分良い影響があると思いますね。

海外のPodcastってすごく長いんですよ。ジョー・ローガンの番組なんて、多くの番組が3時間以上ありますし、4時間に及ぶエピソードもある。ジョー・ローガンの番組って『長い』ことこそが圧倒的な結果につながっていると思うんですね。テレビ番組やインタビュー記事の取材ではありえないほど長く話すことで、深い話ができている。それこそが他では聞けない話になっているんです。

そこに動画が入ってYouTubeで広がっていくと、その深い話の部分を取り扱った切り抜きをYouTube shortで流すことができる。日本でもひろゆきさんの切り抜き動画が流行って、それをきっかけにひろゆきさん本人の認知度もあがりましたが、同様の効果を狙うことができるんです。

——動画も撮影しておくことで、番組を知ってもらうきっかけを増やせるんですね。

YouTubeって、日本でもかなり多くの人が利用しているSNSですからね。リスナーを他のメディアからPodcastに連れてくる事ができるんです。SEO対策など、YouTube上でより見られる工夫をすれば、多くの人に番組を知ってもらえる可能性を秘めていると思います。

Podcastは、リスナーの熱量は高いものの、なかなか新しいリスナーを増やすきっかけをつくりづらいので、YouTubeをはじめとした他のプラットフォームを活用して外からリスナーを連れてくるアイデアは大事だと思います。

実際にビデオポッドキャストをやってみた、リアルな感想

——KONさんもプロデュースされている番組で、ビデオポッドキャストに挑戦していると聞きました。

プロデュースしている『名作ゲームの歴史を学ぶ #神ゲーレビュー 』でビデオポッドキャストに挑戦しています。作った動画はYouTubeにアップしています。

——KONさんは、以前記事にて紹介した怪談話にまつわるPodcastなど、他にも色んな番組をプロデュースされていますよね。その中でどうしてゲームのPodcastで動画を始められたのでしょうか。

『名作ゲームの歴史を学ぶ #神ゲーレビュー』は、誰もが知っている名作ゲームの裏側や、そのゲームが社会に与えた影響など、いわゆる『神ゲー』と呼ばれるゲームを詳細に紹介している番組です。

リスナーアンケートも取っているのですが、「このPodcast以外にどこでゲームの情報を仕入れていますか?」と聞いたところ、YouTubeがかなり多かったんです。

番組に寄せられる感想で、よく「この番組を見てゲームを買いました」という意見をいただいていて。Podcastでも、ゲーム購入の参考になっている番組なら、YouTubeでも相性が良いのではないかと思って挑戦しているところですね。

深くて面白い話をしていれば、切り抜き動画も生まれて、さらに流入してくれる人も増えるのでは、とも思っています。YouTubeをやってみることで、拡散のために試せることが増えることも魅力ですね、

——実際始めてみて効果はどうですか?

まだ始めたばかりなので、結果はまた別の機会にお話できたらと思います。ただ、チャネルごとに消費のされ方が全然違って面白いですね。

YouTubeをやってみて、改めてPodcastの再生完了率の高さを感じました。YouTubeは確かに新しい層にリーチできる手段だと思うんですが、Podcastに比べて最後まで見られる割合が低いですね。

あくまでやはり、YouTubeは知られるきっかけを増やす手段だなと思いました。Podcastはリスナーが狭い分、最後まで聞いてくれる人がやっぱり多い。

——動画制作ははじめてだと思うのですが、工夫している点はありますか?

いや〜ほんと、動画編集は大変ですよ(笑)改めてPodcastの気軽さを感じました。PodcastはBGMと会話の音声という構成が基本ですが、YouTubeで動画をつくるとなると、テロップを入れたり、あとはゲームの情報もわかりやすいように画像や説明文を入れて紹介しないといけないですから。

——ただ、動画を制作するのが大変な分、動画をそのままPodcastに配信できるんじゃないですかね?動画をそのまま音声にファイル変換すればいいし、楽になりそうです。

僕の場合は、動画とPodcastの音声は別で制作しています。日本のYouTubeは、効果音が豊富に入ってますけど、Podcastではそれがノイズになりますからね。

Podcastの効果音とか演出部分って結局味付け。コアになるものは、いかに喋っている内容が面白いかということです。Podcastは、演出も大事ですが、やっぱり喋っている内容にこだわる必要がありますね。

映像と音声の境界が薄れてきている?

——先程は海外の事例を聞きましたが、昆さんのほかに、日本でYouTubeに取り組んでいる人っているんですか?

有名なのは『ゆる言語ラジオ』さんですね。YouTubeでも、10万人以上のフォロワーがいらっしゃいます。

今後は映像×Podcastという時代が来ると思います。NetflixはPodcastの部署を立ち上げたり、外部からPodcastを配信するための人材を採用したり、Podcastを発信していくための準備をしています。

そもそもNetflixの人気番組『世界の今をダイジェスト』はPodcastも制作しているスタジオがつくっている番組ですし。

日本でも、テレ東さんが『お耳に合いましたら』というPodcastと連携したドラマを放送したり、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』という番組を制作したりしてポッドキャストアワードを受賞されていましたね。

今後も映像と音声の垣根は曖昧になっていくと思います。僕らは、Podcastの専門家として、ビデオポッドキャストも作れるクリエイターを目指していきたいですね。


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